はじめに

本記事では、Verticaデータベースを構成しているディレクトリとファイルについてご紹介します。

Verticaを構成している領域

Verticaは、データベースを構成している「カタログ領域」と「データ領域」、そして「Verticaモジュール」で構成されています。全体の構成イメージは、以下のようになります。



名称説明格納場所
カタログ領域メタデータやログファイル等を格納する領域任意のディレクトリ(データベース作成時に指定)
データ領域実データを格納する領域任意のディレクトリ(データベース作成時に指定)
VerticaモジュールVerticaのインストール・モジュール/opt/vertica


Verticaデータベースのディレクトリ構成

Verticaデータベースのディレクトリ構成は、以下のようになります。



例えば、データベース名”testdb”、カタログ領域”/home/dbadmin”、データ領域”/home/dbadmin”を指定してデータベースを作成した場合、それぞれ以下のようにディレクトリが構成されます。

(ノード1の例)


データベース名のディレクトリ

データベース名のディレクトリは、以下のように構成されます。



各ディレクトリ及びファイルの用途は、こちらをご確認ください。
名称用途
dbLogデータベース起動時の情報を出力するログファイル
port.datクライアントが使用するポート番号が記載されたファイル
/procedures外部プロシージャのシェルスクリプトが格納されるディレクトリ
/v_<データベース名>_<ノード番号>_catalogカタログ領域
/v_<データベース名>_<ノード番号>_dataデータ領域

カタログ領域について

カタログ領域は、メタデータやログファイルが格納されているディレクトリであることから、複数のディレクトリやファイルが存在しています。

まずは、カタログ領域のディレクトリ構成からご紹介します。



名称用途
/Catalog チェックポイント等のカタログ情報が含まれているディレクトリ
/CopyErrorLogsバルクロード時の例外やエラーのログが出力されるディレクトリ
/DataCollectorデータコレクタによって生成されたログファイルやDCテーブルが格納されるディレクトリ
/DebugReportsデバッグ時に使用するファイルが格納されるディレクトリ(基本的にユーザが使用することはない)
/Librariesデータベースにロードされたユーザー定義のライブラリファイルが含まれるディレクトリ
/Snapshotsデータベースのスナップショットが格納されるディレクトリ
/UDxLogsフェンスモード*で実行されたユーザ定義ファンクションのログが格納されるディレクトリ

*フェンスモードとは、Verticaプロセスではなく外部のプロセスでユーザ定義ファンクションを実行すること
/tmpVerticaの内部プロセスによって使用される一時ディレクトリ


次に、カタログ領域のファイル構成についてご紹介します。



名称用途
bootstrap-catalog.logデータベース作成またはリストア時の情報が出力されるログファイル
debug_log.confデバッグ情報が書き込まれるファイル(Verticaのみが使用)
editor.logデータベースカタログを編集する全てのコマンドが出力されるログファイル
ErrorReport.txtプロセスが予期せず終了した場合、スタックトレースが出力されるファイル
spread.backup.configspread.confのバックアップファイル
spread.conf全てのデータベースノードに関するスプレッド構成設定が格納されたファイル
spread.pidスプレッドのプロセスID
startup.logデータベース起動時のステータス情報が出力されるログファイル
vertica.confVertica構成ファイル(現在は使用されていない)
vertica.logVerticaの各種稼働状況(実行SQL、エラー、ジョブ等)を出力するログファイル
vertica-orig.confSET_CONFIG_PARAMETERコマンドを使用して変更された構成パラメーターが格納されるファイル
vertica.pidプロセスIDとカタログディレクトリパスが含まれたファイル

データ領域について

データ領域のディレクトリは、以下のように構成されます。



名称用途
/<ROSコンテナの番号>データファイルが含まれるディレクトリ
ROSコンテナ毎にディレクトリが分かれている
/RejectionTableDataREJECTED TABLE AS DATA オプションを付与したCOPYコマンドで解析が拒否されたデータが格納されるディレクトリ

検証バージョンについて

この記事の内容は、Vertica 11.1で確認しています。

更新履歴

2022/06/02 本記事を公開