SQL の実行に時間がかかっている原因の一つとして、実行している SQL に対して、必要なメモリが不足してしまい、割当てができない状態になっていることがあります。SQL の実行には、対象のDBユーザに割当てられたリソースプールが利用されます。リソースプールは、メモリ割当て、同時実行、キュー(Queue)タイムアウト、優先順位の制御などを行い、デフォルトは GENERALプールが割当てられています。
以下は物理メモリ 128GB のサーバで、同一SQLを 10多重で同時実行した場合の実行例です。メモリ割当ての待ち状態となっている SQL はキューに格納され、V_MONITOR スキーマ内の RESOURCE_QUEUES システムテーブルを利用することで確認できます。

※GENERAL:ユーザークエリ実行時にデフォルトで使用されるプールです。他のプールでリソースが足りない場合、必要に応じてGENERALプールのメモリが使用されます。また、システムメモリの一部もこのプールを使用します。

RESOURCE_QUEUES の実行例

新規に作成した testプールを DBユーザに割当てています。キューを確認すると、5個の SQL が「memory_requested_kb=730131」となっており、メモリ不足で割当て待ちとなっています。


[RESOURCE_QUEUES]

列名内容
NODE_NAMEノード名
TRANSACTION_IDトランザクションID
STATEMENT_IDステートメントID
POOL_NAMEリソースプール名
MEMORY_REQUESTED_KBリクエストされたメモリ量(KB)
PRIORITYプールを定義するときに指定した優先パラメータの値
POSITION_IN_QUEUEキュー内のリクエストの順番
QUEUE_ENTRY_TIMESTAMPリクエストがキューイングされたタイムスタンプ

なお、割当て待ちを解消する方法としては、以下の対応が考えられます。
・DBユーザに割当てたリソースプールのメモリサイズ変更
・メモリ使用量を抑止するために SQL チューニングの実施
・H/W の物理メモリ自体が不足している場合はメモリ増設の実施

検証バージョンについて

この記事の内容はVertica 9.1で確認しています。