はじめに

VerticaのDBユーザーには、パスワードに使用できる文字数や文字種の組合せなど、様々なパスワードポリシーが設定できます。パスワードポリシーを設定することで、推測されやすいパスワードの設定を防ぎ、第三者から不正にDBアクセスされるリスクを軽減できます。

パスワードポリシーの説明と設定例

Verticaで設定可能なパスワードポリシーについて、ご紹介します。下記パラメータのデフォルトは全て「Unlimited」であり、制限なしを意味しています。

PASSWORD_LIFE_TIME

現在のパスワードが有効な期間(日数)。期間経過後、DBユーザーはパスワードを変更する必要があります。「PASSWORD_GRACE_TIME」がゼロまたは「unlimited」以外に設定されている場合、パスワードの有効期限切れの警告が表示されます。

■パスワードの有効期間を超過した後にログインを試み、パスワード変更を強制されている例 (設定値=1 の場合)


PASSWORD_MIN_LIFE_TIME

パスワードを変更できるまでの最低期間(日数)。この期間を経過するまで、DBユーザーはパスワードの変更ができません。

■パスワードの変更時、最低期間を超過していない場合の例 (設定値=365 の場合)



PASSWORD_GRACE_TIME

「PASSWORD_LIFE_TIME」を過ぎた後も、警告メッセージを表示させて、ログインを許可する期間(日数)。この期間経過後、DBユーザーはログイン時にパスワードの変更を強制されます。

■パスワード変更猶予期間の警告メッセージ例 (設定値=7 の場合)


FAILED_LOGIN_ATTEMPTS

ログインに連続失敗した場合、アカウントロックされるまでの試行回数。

■ログインに連続して失敗し、アカウントがロックされた場合の例 (設定値=2 の場合)

PASSWORD_LOCK_TIME

「FAILED_LOGIN_ATTEMPTS」でアカウントロック後、解除されるまでの期間(日数)。期間経過後、自動的にアカウントロックは解除されます。

■アカウントがロックされた後、PASSWORD_LOCK_TIMEを超過してアカウントロックが解除された例 (設定値=7 の場合)

PASSWORD_REUSE_MAX

現在のパスワードの変更後、同一パスワードが再利用可能になるまでに必要なパスワードの変更回数。

■パスワードの変更時、同一パスワードを指定したために再利用不可のエラーが発生した例 (設定値=2 の場合)

PASSWORD_REUSE_TIME

現在のパスワード変更後、再利用可能になるまでの日数。

■パスワードの変更時、同一パスワードを指定したために再利用不可のエラーが発生した例 (設定値=90 の場合)

PASSWORD_MAX_LENGTH

設定可能なパスワードの最大文字数。「8」から「512」の範囲で設定可能です。

■DBユーザーの作成時、パスワードの最大長を超過した場合の例 (設定値=8 の場合)

PASSWORD_MIN_LENGTH

設定可能なパスワードの最小文字数。「0」からPASSWORD_MAX_LENGTHの範囲で設定可能です。

■DBユーザーの作成時、パスワードの最小長を下回った場合の例 (設定値=2 の場合)

PASSWORD_MIN_LETTERS

パスワード設定時に含める必要があるアルファベット大文字または、小文字(A-Z または a-z)の数。アルファベット大文字または、小文字のいずれかを設定値分含める必要があります。「0」からPASSWORD_MAX_LENGTHの範囲で設定可能です。

■DBユーザーの作成時、パスワードにアルファベット文字の数が不足している例 (設定値=2 の場合)

PASSWORD_MIN_UPPERCASE_LETTERS

パスワード設定時に含める必要があるアルファベット大文字(A-Z)の数。「0」からPASSWORD_MAX_LENGTHの範囲で設定可能です。

■DBユーザーの作成時、パスワードにアルファベット大文字の数が不足している例 (設定値=1 の場合)

PASSWORD_MIN_LOWERCASE_LETTERS

パスワード設定時に含める必要があるアルファベット小文字(a-z)の数。「0」からPASSWORD_MAX_LENGTHの範囲で設定可能です。

■DBユーザーの作成時、パスワードにアルファベット小文字の数が不足している例 (設定値=1 の場合)

PASSWORD_MIN_DIGITS

パスワード設定時に含める必要がある数字(0-9)の数。「0」からPASSWORD_MAX_LENGTHの範囲で設定可能です。

■DBユーザーの作成時、パスワードに数字の数が不足している例 (設定値=1 の場合)

PASSWORD_MIN_SYMBOLS

パスワード設定時に含める必要がある記号($、#、@など)の数。「0」からPASSWORD_MAX_LENGTHの範囲で設定可能です。

■DBユーザーの作成時、パスワードに記号の数が不足している例 (設定値=1 の場合)


PASSWORD_MIN_CHAR_CHANGE

新しいパスワードが古いパスワードと最低限違わなければならない文字数。「0」からPASSWORD_MAX_LENGTHの範囲で設定可能です。

■パスワードの変更時、最低限違わなければならない文字数を満たしていない場合の例 (設定値=2 の場合)


参考情報

・Profiles
https://www.vertica.com/docs/10.1.x/HTML/Content/Authoring/Security/ClientAuth/Profiles.htm
・特定のIPアドレスからのみ接続可能なユーザーを作成する
http://vertica-tech.ashisuto.co.jp/authentication_hash/

検証バージョンについて

この記事の内容はVertica 10.1で確認しています。

更新履歴

2021/03/31 Vertica 10.1の情報を反映
                     ・PASSWORD_MIN_LIFE_TIME、PASSWORD_MIN_CHAR_CHANGEの追加
                   プロファイルの説明を修正
                    ・PASSWORD_MAX_LENGTH、PASSWORD_MIN_DIGITSの指定範囲
2019/03/27 Vertica 9.2の情報を反映
2016/03/16 本記事を公開